【時角】(作成:2019/2/6)
太陽時の話の前に、時角の話をします。
・時間と角度
時間が関係する天文計算では時間と角度を同じ物として扱います。
時間と角度がゴチャゴャするので、ここでハッキリしておきましょう。
12時34分34.1秒 12度34分34.1秒
日本語で書くと分と秒が同じで紛らわしいので、
時間は 12h 34m 34.1s の h m s表記
角度は 12°34' 34.1" の °' "表記
今後は、この表記とします。
次は、角度と時間の関係式
1d=24h=360°
この式だけ覚えておけば大丈夫。
例えば、時間(T)から角度(A)に変換する場合は、

こんな式が作れます。
逆に角度から時間は、上の式を入れ替えれば良いから

単位が違う場合は、mと'、sと" の様に時間と角度の単位を揃えると

単位分が約分されて先と同じ式になります。
・時角(H:Hour Angle)
時間と角度で迷うのは、時角(H)と呼ばれる物と赤経(α)と呼ばれる物の2つ。
時角とは、子午線から西方向に測った角度(or時間)
赤経とは、春分点から東方向に測った角度(or時間)
時角は、観測者の場所により値が異なりますが、
赤経は、天空に固定されているので観測者の場所に関係しません。
下手な図ですが・・・
天空の赤道で輪切りにした図で、地球上のP点の子午線位置が天空のZです。

子午線上の赤経が11h20m、S1の赤経が9h00mとして、
P点でのS1の時角は
11h20m - 9h00m = 2h20m
角度で書けば
170°- 135°= 35°
35°は、2h20mです。
時角や赤経は、角度単位でも時間単位でも計算できます。
子午線上の赤経値がその場所の恒星時(
)なので、
時角(H)の式は
・・・・・・【式1−1】
こうなります。数値は、角度でも時間でも構いません。
時角の式は今後も度々出てきます。
大切なのでもう一度書きます。
時角とは、子午線から西方向に測った角度(or時間)
赤経とは、春分点から東方向に測った角度(or時間)
方向に注意して下さい。
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