【ユリウス日(JD:Julian day)】
天文で扱うユリウス日(Julian Day)とは、
ユリウス暦紀元前4713年1月1日正午を起点とした通日
「ユリウス通日」の方が意味が合うかもしれない。
ユリウス日の小数は時刻を表します。
本サイトでは下付き文字で時刻系を表します。
例)
JD → 特定の時刻系を持たない作業用
JDUT1 → 世界時
JDUTC → 協定世界時
JDTAI → 国際原子時
JDTT → 地球時
・MJDについて
JDの他に、MJDというのがある。
昔は「準ユリウス日」だったのが、今は
「修正ユリウス日」という和訳になっている。
MJD = JD - 2400000.5
MJDの目的は、桁数を減らしただけです。
昔のコンピューターは、処理能力が低かったためで
今のコンピューターでは JD のままでも問題ないです。
【ユリウス暦とグレゴリオ暦】
現在使われている日付は、グレゴリオ暦(Gregoriano)です。
ユリウス暦も同じ日付を使いますが、
閏年の計算に違いがあります。
ユリウス暦、
『年数が4で割切れる年を閏年とする』
グレゴリオ暦、
『年数が100で割切れ、かつ、400で割切れない年は平年、
それ以外の4で割切れる年は閏年とする』
400年間でグレゴリオ暦の方が3日少ない事になります。
ユリウス暦とグレゴリオ暦の切り替わりは、
ユリウス暦1582年10月4日(木)の翌日が
グレゴリオ暦1582年10月15日(金)になります。

【天文学におけるユリウス暦】
天文学でも、ユリウス暦とグレゴリオ暦は
上記年月日で切り替えています。例えば
1P/- 11 Q1 - 11 Oct. 10.849 紀元前12年
1P/ 66 B1 66 Jan. 25.960
・・・
1P/1456 K1 1456 June 9.633
1P/1531 P1 1531 Aug. 26.239 ↑ユリウス暦
1P/1607 S1 1607 Oct. 27.541 ↓グレゴリオ暦
1P/1682 Q1 1682 Sept.15.279
※Catalogue Of Cometary Orbitsから一部抜粋。
これは1P/Halley彗星の過去の近日点通過日です。
1531年以前はユリウス暦の日付、
1607年以降はグレゴリオ暦の日付です。
ただし、wikipediaによると、ユリウス暦では
閏年を挿入すべき年に挿入しなかったり、
各月の長さが現在と違っていたりと、
史上の日付と天文学の日付は違う可能性がある。
・紀元前の扱い
一般的に、紀元(AD)1年の前年は紀元前(BC)1年であるが、
天文学では数学的に連続した数字を扱うために、
0年が存在し、西暦0年を紀元前1年としている。

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